主要取扱業務
(法人設立)
長谷川行政書士事務所(各種法人設立:医療法人設立・医療施設開設)

 

各種法人設立−医療法人設立(社団法人)・一人医師医療法人設立
設立人の決定
設立する医療法人の設立人(発起人)を決定します。設立人は、医療法人設立に必要なすべての事務を行います。設立人は医療法人設立後も社員、または理事として事業の運営に従事する場合が多く、また医療法人に基本財産や資金を出資する場合もあります。
設立人(発起人)となる条件 法令では、特に欠格事由は定められていませんが、医療法人のあらゆる設立手続を行う関係上、ある程度の意思決定能力(義務教育修了程度の者、15歳以上)のあることが条件となります。また、設立後、医療法人の理事等になる場合、それらの役員の欠格事由(後述)に該当しないことも必要です。
設立人の人数 1人以上:上限は定められていませんが、医療法人には3人以上の理事と1人以上の監事(一人医師医療法人は1人、または2人の理事)を置くことが必要なため、設立人以外に理事・監事に就任する予定の方がいない場合、理事・監事の最低必要員数と同数の設立人が必要です。
設立人の役割 設立する医療法人の基本事項・設置する医療施設の基本事項を決定し、それらの設立・設置に関するすべての事務を行います。
医療法人設立事務説明会への参加
医療法人を設立しようとする都道府県が開催する事務説明会に参加し、医療法人の設立の認可基準、医療法人設立認可申請書や添付書類、設立認可申請を行う時期・スケジュールについての説明を受けます。説明会を実施していない都道府県については、設立手引書・説明書を取り寄せます。
医療法人設立事務説明会の開催時期 5月と11月(愛知県の場合、都道府県により異なる)
設立準備委員会で医療法人の基本事項を決定
設立人が決定したら、設立準備委員会を開催して、設立する医療法人の基本事項を協議します。設立人会で決定された事項にしたがって、医療法人の設立手続は進められます。また、設立人会で決定された基本事項は、そのまま定款の記載事項となります。また、医療法人の設立や医療施設の開設に関する資金の融資の申込をしようとする場合、これらの事項についても、設立準備委員会で協議・決定します。
設立準備委員会の開催 設立人の全員の出席:設立準備委員会は、設立人の全員の出席が出席して開催します。
設立準備委員会での決定事項 1:目的
  設立する医療法人が行う事業内容
2:名称
  設立する医療法人の名称
3:医療法人が開設しようとする病院、診療所、介護老人保健施設の
  名称・開設場所
  設立する医療法人が開設・運営する病院、診療所、介護老人保健施設の
  名称・所在地
4:事務所の所在地
  設立する医療法人の主たる事務所の所在地、従たる事務所の所在地
5:資産・会計に関する事項
  医療法人の基本財産、予算・決算の承認手続、剰余金の処理方法
6:役員に関する事項
  設立する医療法人の設立時の役員・役員(理事長・理事・監事)
  の員数・任期・報酬、理事長の選任方法、監事の選任方法
7:社員の資格の得喪に関する事項
  社員の資格の取得に関する手続、社員の資格の喪失に関する規定・手続
8:解散に関する事項
  解散事由の規定、解散の手続
9:定款の変更に関する事項
  定款の変更の手続
10:公告の方法
11:医療施設建設資金の融資に関する事項
   医療施設建設資金の融資を申し込む場合、その申込先・申込時期・金額
12:事業計画に関する事項
   初年度・次年度の事業計画の策定
13:資金計画に関する事項
   初年度・次年度の事業運営に関する予算の策定
14:医療法人設立の計画に関する事項
   設立手続のスケジュールの策定
15:病院、診療所、介護老人保健施設の開設に関する事項
   施設の建設計画・運営計画、建設予算・運営予算の策定
   施設の管理者の選任
16:設立代表者に関する事項
   設立代表者を選任する場合、その氏名
17:会計年度に関する事項
   医療法人の会計年度を決定します。
18:解散時の残余財産に関する事項
   医療法人を解散した場合の残余財産の処理方法に関する規定
19:会議に関する事項
   理事会・社員総会の招集、定足数・議決方法に関する規定
20:病院、診療所、介護老人保健施設以外で、法令に規定された業務を
   行う場合、その施設・業務に関する事項
   医療関係者の育成、医学・医歯学の研究所の設置等の業務を
   行う場合、その施設や運営に関する事項
設立準備委員会議事録 設立準備委員会での議事の内容を記録し、定款の作成や認可申請のための書類作成の基礎資料にします。議事録には、出席した設立人(発起人)全員が記名・押印(実印)します。
注意事項 設立準備委員会での決定事項の内、1から10は定款の絶対的記載事項になるため、必ず討議し決定する必要があります。
設立準備委員会での決定事項の内、11から16は医療法人の設立認可申請の添付書類の作成に必要になります。
設立する医療法人の目的は、設立後実際に行う事業のみに限定されます。将来行うことを予定した目的を入れることはできません。
設立する医療法人の名称は、その中に「医療法人」の名称を用いる必要があります。また、同じ所轄庁(後述)ですでに使用されている名称や社会的な認知度が非常に高い名称(全国的に有名な医療法人)と同じ名称を使用することはできません。
設立する医療法人の所在地は、町名番地までのすべてを特定する必要があります。
以下の1から4に該当する人は、医療法人の役員になることはできません。
1:成年被後見人、または被保佐人
2:医療法・医師法・歯科医師法・その他医事に関する法令の規定により
  罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることが
  なくなった日から起算して、2年を経過しない者
3:2に該当する者以外で、禁固以上の刑に処され、その執行を終わり、
  または執行を受けることがなくなるまでの者
理事の定数は3人以上で、医師・歯科医師、または医業について学識経験を有する者(教育研究者等)を加えることが必要です。ただし、都道府県知事の認可を受けた場合は、理事は1人、または2人(一人医師医療法人)でも可能です。
監事の定数は1人以上です。ただし、都道府県知事の認可を受けた場合は、監事は置かなく(一人医師医療法人)ても可能です。また、監事は理事と兼任することができません。
病院、診療所、介護老人保健施設の管理者は、医師・歯科医であることが条件になります。
病院、介護老人保健施設を開設する医療法人は、その資産の総額の20%以上の自己資本を有していなければなりません。
設立時に医療法人が有する運用財産については、年間事業費の12分の2以上の現金・預貯金を所有している必要があります。
医療法人が行う病院、診療所、介護老人保健施設以外の業務には、その法人が行う病院、診療所、介護老人保健施設の業務に支障を来たさないもの等の条件があります。
定款の作成
設立準備委員会での決定事項に基づいて、設立する医療法人の定款を作成します。この定款は、以後の医療法人の運営を規定する重要な種類になるため、法令や所定の様式に違反していないことはもちろん、実際の事業運営にも配慮した内容にすることが必要です。また、作成した定款は、医療法人の認可申請に添付し、所轄庁の認可を受けることになります。
定款の作成(表紙) 表題を「設立する医療法人の名称」+「定款」として記載します。
例:医療法人社団XXXXXX 定款
表紙右下に、定款作成日を記載します。
例:平成YY年MM月DD日 作成
定款の作成(本文) 表題を「定款」と記載します。
それぞれの記載事項を以下の例のように記載していきます。
例:第1章 総則
  (目的)
  第1条 当医療法人社団が開設する病院の名称及び開設場所は
      次の通りとする。
    1 医療法人社団YYYYYY YYY病院
      YY県YY市YY区YY町Y丁目YY番YY号
    2 医療法人社団ZZZZZZ ZZZ病院
      ZZ県ZZ市ZZ区ZZ町Z丁目ZZ番ZZ号
  (名称)
  第2条 当社医療法人社団は、医療法人社団XXXXXと称する。
  (事務所の所在地)
  第3条 当医療法人社団の事務所をXX県XX市XX町XX番地に置く。
絶対的記載事項
以下の事項は、必ず定款に記載する必要があります。記載のない定款は認可されません。
1:目的
  設立する医療法人が行う事業内容
2:名称
  設立する医療法人の名称
3:医療法人が開設しようとする病院、診療所、介護老人保健施設の
  名称・開設場所
  設立する医療法人が開設・運営する病院、診療所、介護老人保健施設の
  名称・所在地
4:事務所の所在地
  設立する医療法人の主たる事務所の所在地、従たる事務所の所在地
5:資産・会計に関する事項
  医療法人の基本財産、予算・決算の承認手続、剰余金の
  処理方法
6:役員に関する事項
  設立する医療法人の設立時の役員、役員(理事長・理事・監事)
  の員数・任期・報酬、理事長の選任方法、監事の選任方法
7:社員の資格の得喪に関する事項
  社員の資格の取得に関する手続、社員の資格の喪失に関する規定・手続
8:解散に関する事項
  解散事由の規定、解散の手続
9:定款の変更に関する事項
  定款の変更の手続
10:公告の方法
相対的記載事項
以下の事項は定款に記載のない場合、法的に有効になりません。該当する事項がある場合、定款への記載が必要です。
1:会計年度に関する事項
  医療法人の会計年度を決定します。
2:解散時の残余財産に関する事項
  医療法人を解散した場合の残余財産の処理方法に関する規定
3:会議に関する事項
  理事会・社員総会の招集、定足数・議決方法に関する規定
4:理事長の職務の代理に関する事項
  理事に事故がある場合、理事長が欠けた場合、その職務の
  代行者に関する規定
5:病院、診療所、介護老人保健施設以外で、法令に規定された業務を
  行う場合、その施設・業務に関する事項
  医療関係者の育成、医学・医歯学の研究所の設置等の業務を
  行う場合、その施設や運営に関する事項
任意的記載事項
その他、医療法人の事業運営に関して、特に定めておく事項を記載します。
例:医療法人の職員に関する規定、法令の規定の確認規定
定款の作成(設立人の記名・押印) 本文の後に、定款の作成日を記載する。
設立時役員全員の氏名を記載し、それぞれの実印を押印する。
定款を綴じる 定款を袋綴じにして、背表紙と裏表紙の境目に発起人全員の実印を押印する。
注意事項 設立する医療法人の会計年度を定款で定めない場合、その医療法人の会計年度は4月1日から3月31日になります。
関連事項 定款は、同じ内容のものを2部作成(コピーでも可)し、1部を設立認可申請の添付書類用、1部を控えとして設立人が保管します。
設立総会の開催
定款の作成が終了した後、設立総会を開催して、設立する医療法人に関する重要事項を議事し、設立人の承認を受けます。
設立総会の招集 設立人の全員の出席:設立総会は設立人の全員が出席して開催します。
設立総会での承認事項 1:医療法人設立趣旨に関する事項
  法人の設立意図、法人の事業内容等を承認
2:医療法人の社員に関する事項
  医療法人の設立後に社員となる者を承認
3:定款の承認に関する事項
  設立する医療法人の定款を承認
4:出資の申し込みに関する事項
  医療法人に出資する者、その出資する財産を承認
5:医療法人設立時の財産目録に関する事項
  医療法人に出資する者の氏名、財産の種類、出資金額を記載した
  目録を承認
6:設立初年度・次年度の事業計画・予算に関する事項
  設立する医療法人の初年度と次年度の事業計画・予算を承認
7:役員の選任・就任に関する事項
  設立時の役員(理事・監事・理事長)の選任の承認、就任の
  承諾
8:病院、診療所、介護老人保健施設の管理者に関する事項
  病院、診療所、介護老人保健施設の管理者の選任、就任の承諾
9:設立代表者に関する事項
  設立代表者を選任する場合、代表者の選任の承認、就任の承諾
設立総会議事録 設立総会での議事の内容を記録し、出席した設立人(発起人)全員が記名・押印(実印)します。
関連事項 設立総会議事録は、医療法人設立認可申請の添付書類になります。
設立総会で承認を受ける事項を記載した書類(設立趣意書、財産目録、事業計画書、予算書等)はあらかじめ原案を作成しておきます。
設立総会で承認を受けた設立趣意書、財産目録、事業計画書、予算書等は、医療法人設立認可申請の添付書類になります。
医療法人設立認可申請(仮申請)
設立する医療法人の定款が承認され、その他の重要事項についても設立総会の承認決議を経た後、都道府県に対して医療法人の設立認可を申請する書類を準備し、仮申請を行います。
設立認可申請に必要な書類 医療法人設立認可申請書
設立認可申請に必要な添付書類 定款
設立当初において当該医療法人に帰属すべき財産の財産目録
・財産目録
・財産目録明細書
・不動産鑑定評価書
・負債内訳書
出資申込書
不動産その他の重要な財産の権利の所属についての登記所、銀行等の証明書類
・不動産登記簿謄本
・金融機関の預貯金残高証明書
医療法人の資産が、自己資本比率の要件に適合していることを証する書類(病院、介護老人保健施設を開設する場合のみ)
医療法人が開設しようとする病院、診療所、介護老人保健施設の診療科目、従業者の定員、敷地、建物の構造設備の概要を記載した書類
・医療施設の概要書
医療法人が病院、診療所、介護老人保健施設以外の業務を行う場合、その業務に係る施設の職員、敷地、建物の構造設備の概要、運営方法を記載した書類(医療関係者の育成・教育に関する業務、保健衛生に関する業務を行う場合のみ)
医療法人の設立後二年間の事業計画、これに伴う予算書
・事業計画書
・予算書
設立者の履歴書
設立代表者が適法に選任されたこと、設立者の権限を証明する書類(設立代表者を定めた場合)
役員になる予定の者の履歴書
・身元証明書
役員になる予定の者の就任承諾書
・役員になる予定の者の印鑑登録証明書
・医師免許証の写し
開設しようとする病院、診療所、介護老人保健施設の管理者となるべき者の氏名を記載した書面
・就任承諾書
・医師免許証の写し
申請書の提出先 主たる事務所の所在地を管轄する都道府県の健康福祉部等
審査に要する期間 約1ヶ月から3ヶ月
申請に必要な手数料 無料
注意事項 申請書・添付書類は、所定の記載事項に関する要件をすべて満たす様式で作成する必要があります。
仮申請には、本申請で使用する書類と全く同じものを提出します。ただし、押印はせずに、謄本や証明書は写しを添付します。
設立する医療法人が行う業務によって、上記以外にも提出する書類が必要になることがあります。設立認可申請書を提出する前に、十分確認をする必要があります。
医療法人設立認可申請(本申請)
仮申請を行った結果、申請書類や添付書類に不備がなかった場合、また所轄庁から指摘された不備箇所の修正が完了した場合、医療法人設立認可の本申請を行います。
設立認可申請に必要な書類 医療法人設立認可申請書
設立認可申請に必要な添付書類 定款
設立当初において当該医療法人に帰属すべき財産の財産目録
・財産目録
・財産目録明細書
・不動産鑑定評価書
・負債内訳書
出資申込書
不動産その他の重要な財産の権利の所属についての登記所、銀行等の証明書類
・不動産登記簿謄本
・金融機関の預貯金残高証明書
医療法人の資産が、自己資本比率の要件に適合していることを証する書類(病院、介護老人保健施設を開設する場合のみ)
医療法人が開設しようとする病院、診療所、介護老人保健施設の診療科目、従業者の定員、敷地、建物の構造設備の概要を記載した書類
・医療施設の概要書
医療法人が病院、診療所、介護老人保健施設以外の業務を行う場合、その業務に係る施設の職員、敷地、建物の構造設備の概要、運営方法を記載した書類(医療関係者の育成・教育に関する業務、保健衛生に関する業務を行う場合のみ)
医療法人の設立後二年間の事業計画、これに伴う予算書
・事業計画書
・予算書
設立者の履歴書
・身元証明書
設立代表者が適法に選任されたこと、設立者の権限を証明する書類(設立代表者を定めた場合)
役員になる予定の者の履歴書
役員になる予定の者の就任承諾書
・役員になる予定の者の印鑑登録証明書
・医師免許証の写し
開設しようとする病院、診療所、介護老人保健施設の管理者となるべき者の氏名を記載した書面
・就任承諾書
・医師免許証の写し
申請書の提出先 主たる事務所の所在地を管轄する都道府県の健康福祉部等
審査に要する期間 約1ヶ月から3ヶ月
申請に必要な手数料 無料
注意事項 本申請では、医療法人設立認可申請書とその添付書類の一式を2部用意し、提出します。
本申請では、押印が必要な箇所にすべて押印し、謄本や証明書は原本を添付します。
医療法人設立後も、定款の変更、基本財産の処分・担保提供等を行う場合、その都度所轄庁の認可・承認が必要になります。
関連事項 医療法人は、毎会計年度終了後2ヶ月以内に、法令に定められた事項を所轄庁に対して報告する義務があります。
医療法人設立登記
所轄庁から設立の認可を受けた後、医療法人は設立の登記をする必要があります。この設立登記が完了しない限り、医療法人は法的に成立したことにはなりません。
登記をする時期 設立の認可を受けた日(認可書が到着した日)から2週間以内
登記する事項 1:目的・業務
2:名称
3:事務所の所在場所
4:代表権を有する者の氏名・住所・資格
5:存続期間、または解散の事由を定めた場合、その期間又は事由
6:資産の総額
設立登記申請に必要な書類 医療法人社団設立登記申請書
登記用紙と同一の用紙(登記簿に記載される内容を記載した用紙、多くの法務局でOCR用紙を使用)
設立登記申請に必要な添付書類 定款
代表権を有する者の資格を証明する書類
資産の総額を証明する書類
設立認可書
理事の印鑑証明書
理事の印鑑届書・印鑑紙
委任状(理事長・理事が出頭して申請しない場合)
申請書の提出先 設立する医療法人の主たる事務所の所在地を管轄する法務局
審査に要する期間 約10日
注意事項 医療法人の設立登記申請は、設立の認可を受けた日(認可書が到着した日)から2週間以内に行わなければなりません。登記を怠った場合、罰則の適用を受けます。
医療法人の設立登記には、理事印(法人の実印)が必要です。設立手続のある時点で印鑑を作っておく必要があります。実際には、設立する法人の名称が決まった時点で注文しておくことをお勧めします。また、その際には、法人の銀行印・社印(角印)・ゴム印等も一緒に作っておくと、その後の諸手続に使用できます。
理事印の大きさは、1×1cm以上3×3cm以内と決められています。
医療法人の設立登記申請をする場合、事前に申請書を提出する法務局と相談し、用意する添付書類等の確認を行う必要があります。また、設立登記の申請書類の提出方法には、申請書や添付書類を重ねる順番等、細かい決まりごとがあります。法務局により異なる場合もありますので、事前に確認することをお勧めします。
設立する医療法人に従たる事務所がある場合、主たる事務所の所在地で設立の登記をした後2週間以内に、従たる事務所の所在地でも同様に登記をする必要があります。
関連事項 医療法人設立登記申請書が法務局に受理されると、申請書類と引き替えに受付番号と補正日が記入された用紙が交付されます。これに記載されている補正日までに法務局から補正の連絡がない場合、または補正日に法務局に出向いて登記が完了していることが確認できた場合、設立登記は問題なく終了したことになります。
法務局から補正(不備箇所の訂正)の連絡があった場合、指定された期間内に法務局に出向き、登記官に訂正が必要な箇所についての説明を受け、指摘された箇所を適切に訂正します。指定された期間内に補正しない場合、設立登記申請は却下されます。
補正の有無にかかわらず、法人の設立日は設立登記申請書を提出した日になります。
理事の印鑑届書・印鑑紙に押印した印鑑が、医療法人の実印になります。設立登記が完了すると、印鑑証明書の交付に必要な、「印鑑カード」が発行されます。
医療法人設立登記申請に添付した書類の原本の返却を希望する場合、添付書類の原本と同一の内容の書類(謄本)を作成し、原本と相違のないことを明記すれば、添付書類の原本は返却されます。
医療法人の登記簿謄本・登記簿抄本、会社の印鑑証明書、代表者事項証明書等の書類は、設立登記が完了した日から交付を受けることができます。
医療法人設立後も、定款の記載事項の内の登記する事項に変更があった場合、2週間以内に定款変更の登記をする必要があります。また、医療法人に帰属する資産の総額に変更があった場合、事業年度終了後2ヶ月以内に変更登記をする必要があります。
登記完了の届出
医療法人の設立登記が完了した場合、遅滞なく所轄庁に登記が完了したことを届け出る必要があります。
登記完了の届出の時期 医療法人成立(登記)後、2週間以内
登記完了の届出に必要な書類 医療法人の登記事項の届出書
登記完了の届出に必要な添付書類 設立した医療法人の登記簿謄本
届出書の提出先 主たる事務所の所在地を管轄する都道府県の健康福祉部等、または病院、診療所、介護老人保健施設の所在地を所轄する保健所
設立後の諸官公署への届出
医療法人の設立登記が完了したら、設立の日から一定期間内に、関係する諸官公署に各種の届出をする必要があります。届出が必要な官公署、提出する書類は多岐に渡るため、あらかじめ申請書・届出書を取得するなどの準備をしておくと、手続が迅速に行えます。
届出が必要な官公署 税務署
都道府県税事務所
市町村役場
社会保険事務所
労働基準監督署
公共職業安定所
税務署に提出する届出と提出期限 法人設立届出書:設立日から2ヶ月以内
青色申告の承認申請書:第1期の営業年度内、設立から3ヶ月以内の
           どちらかで、期限が早い方
棚卸資産の評価方法の届出書:第1期の確定申告提出期限日
減価償却資産の償却方法の届出書:第1期の確定申告提出期限日
給与支払事務所等の開設届出書:事務所開設の日から1ヶ月以内
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書:特例を受けようとする
                      月の前月末
都道府県税事務所に提出する届出と提出期限 事業開始等申告書(東京都):事業開始の日から15日以内
法人設立届出書(道府県):設立から1ヶ月以内
市町村役場に提出する届出と提出期限 法人設立届出書:設立から1ヶ月以内
社会保険事務所に提出する届出と提出期限 健康保険・厚生年金保険新規適用届:事業開始から5日以内
新規適用事業所現況書:事業開始から5日以内
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届:被保険者の資格を取得した
                     日から5日以内
健康保険被扶養者(異動)届:被保険者に扶養者がいる場合、速やかに
労働基準監督署に提出する届出と提出期限 適用事業報告:従業員を雇用した日から10日以内
就業規則届:常時10人以上の従業員を雇用する場合、速やかに
労働保険保険関係成立届:従業員を雇用した日から10日以内
労働保険概算保険料申告書:従業員を雇用した日から10日以内
労働時間・休日出勤に関する協定書:時間外・休日出勤をさせる場合、
                 速やかに
公共職業安定所に提出する届出と提出期限 雇用保険適用事業所設置届:従業員を雇用した日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届:従業員を雇用した日から10日以内
注意事項 諸官公署への各種申請・届出には、定款の写し・登記簿謄本・その他の添付書類が必要です。申請・届出を行う官公署によって、要求される添付書類は異なり、またその種類も多数になるため、提出期限が近いものから手際よく準備します。また、登記簿謄本は、医療法人設立の登記が完了した時点で、必要な枚数分の交付を受けておくことをお勧めします。
関連事項 諸官公署への申請・届出は、医療法人設立のときだけで終わるものではありません。提出した申請・届出の内容によって、または一定の期間ごとに各種の申請・届出の必要があるため、継続して確実に処理していく必要があります。
各種法人設立−病院、診療所、介護老人保健施設開設
設立準備委員会で開設する医療施設の基本事項を決定
設立する医療法人が医療事業を行うに当たり、医療施設を設置する場合、法人の設立準備・手続と平行して、施設の建設準備・開設手続を進める必要があります。
すでに病院、診療所を開設している方が医療法人を設立した場合は、以下の病院、診療所開設許可申請を参照して下さい。
設立準備委員会の開催 設立人の全員の出席:設立準備委員会は、設立人の全員の出席が出席して開催します。
設立準備委員会での決定事項 1:設置する医療施設の種類に関する事項
  病院、診療所、介護老人保健施設等
2:医療施設の建設予定地の選定に関する事項
  交通アクセス、周辺環境、開発行為・建築の制限などを考慮し、
  施設の建設予定地、代替予定地を選定
3:医療施設の建設予定地の確保(贈与・購入・使用貸借・賃貸借)に
  関する事項
  施設の建設予定地の確保の方法を決定
4:施設の開発許可・建設許可に関する手続に関する事項
  施設建設に必要な開発許可・建設許可の申請時期、許可までの
  スケジュール
5:施設建物の基本構想
  施設建物の規模、構造、外観、内装等の概要を決定
6:施設の建設資金(贈与・借入)
  施設の建設に必要な資金の概算、資金の調達方法を決定
7:施設の運営資金(贈与・借入)
  施設の運営に必要な資金の概算、資金の調達方法を決定
8:施設長の選定
  施設の管理者になる者の人選、候補者の決定
9:施設の運営に従事する者の確保
  施設運営に必要な人員の算定、人員の募集時期の決定
設立準備委員会議事録 設立準備委員会での議事の内容を記録し、補助金交付申請書の作成や許可申請のための書類作成の基礎資料にします。議事録には、出席した設立人(発起人)全員が記名・押印(実印)します。
注意事項 区域によっては開発行為、建設が可能な建物の規模が制限されている場合があります。施設の建設予定地の選定に当たっては、医療事業を計画通り行うことができる施設の建設が可能か、事前に確認しておく必要があります。
医療施設に使用する土地・建物は、医療法人が所有していることが原則ですが、賃貸借契約により使用することも可能です。この場合、土地・建物の賃貸借契約の契約期間は長期間に渡るもので、かつ確実なものであることが求められます。
医療施設には、それぞれにその設備の規模・構造・運営方法等について、必要とされる最低基準が定められています。最終的に医療施設の認可を受けるには、これらの基準を満たしていることが必要となるため、建物の基本構想の段階から、これらの条件を考慮に入れて検討します。
医療施設の管理者については、医師であることが条件となります。
関連事項 医療施設の建設資金・運用資金については、贈与の外に、独立行政法人福祉医療機構や民間の金融機関等からの借入等の調達手段があります。
保健所・都道府県と医療施設についての事前協議
医療施設を設置する場合、実際の建設工事の着工前に、保健所・都道府県の健康福祉部等の所轄庁と事前の協議を行う必要があります。事前協議では、設置する医療施設が基準を満たしているか、満たしていない場合の是正点は何か、建設完了後の許可申請・届出をするに当たって準備する書類は何が必要か等について、所轄庁と話し合うことになります。
事前協議をする所轄庁 医療施設の設置を予定している場所を管轄する保健所・都道府県の健康福祉部等
医療施設建設
医療施設の建設は、医療法人の設立手続と平行して行います。医療施設は、その事業の種類によって一定の基準を満たすことが定められているため、設計や施工について入念な打ち合わせをする必要があります。また、金融機関等からの融資を受ける場合は、それらの融資の決定を受けてから施設の建設工事に着工します。
医療施設建設に必要な手続 1:建設する医療施設の設計
  建設する医療施設が定められた基準を満たすように、
  その設計を建築士に依頼
2:医療施設の建設工事を発注
  施工業者に医療施設の建設工事を発注
3:開発許可・建築許可の申請
  所轄する都道府県に対し、医療施設の建設に必要な
  開発許可・建築許可を申請
4:施設の建設着工
  所轄する都道府県に対し、建築工事着工届を提出し、
  工事に着工
5:施設を建設する土地部分の工事の完了
  工事完了届の提出と都道府県による検査
6:施設の建設完了
  工事完了検査の申請と都道府県等による検査
注意事項 区域によっては、都市計画法・建築基準法等で開発や建築物の規模等が規制されている場合があります。医療施設を設置する場合、建設予定地の選定や取得に十分な調査が必要です。
病院、診療所、介護老人保健施設等開設許可申請
医療法人を設立したときに病院、診療所、介護老人保健施設を開設した場合、または医療法人を設立したときに病院、診療所を保有している場合、それらの施設の所在地の都道府県に開設の許可申請をする必要があります。
開設許可申請の提出時期 医療法人の設立認可後、速やかに
開設許可申請に必要な書類 病院(診療所、助産所)開設許可申請書
介護老人保健施設開設許可申請書
開設許可申請に必要な添付書類 病院(診療所、助産所)開設許可申請
・定款の写し
・施設の敷地・建物の平面図・見取図等
・施設の周辺地図
介護老人保健施設開設許可申請
・定款の写し
・登記事項証明書
・施設の敷地・建物の平面図・見取図等
・施設の周辺地図
・施設の運営規定
・施設運営に関する資金の状況を記載した書類
・開設不許可事由に該当しないことの誓約書
申請書の提出先 病院(診療所、助産所)開設許可申請
病院、診療所の所在地を所轄する保健所、都道府県の健康福祉部等
介護老人保健施設開設許可申請
介護老人保健施設を所轄する都道府県の健康福祉部等
注意事項 すでに病院、診療所を開設している方が、医療法人を設立した場合も、病院(診療所、助産所)開設許可申請を行う必要があります。
個人で病院、診療所を開設していた方は、個人事業としての病院、診療所の廃止届けを所轄する保健所、都道府県の健康福祉部等に提出する必要があります。
関連事項 新たに病院、診療所を開設した場合、その施設を所轄する保健所の実地調査が行われます。実地調査の結果、問題がなければ、施設の開設が許可されます。
病院、診療所を開設が許可された場合、許可後10日以内に保健所・都道府県に「病院(診療所、助産所)開設届」を提出します。
保険医療機関指定申請
保健所、都道府県の健康福祉部等に病院(診療所、助産所)開設届の提出が完了した後、保険医療機関の指定を受けるために、それらの施設の所在地を所轄する社会保険事務局に保険医療機関の指定申請をする必要があります。
保険医療機関指定申請書の提出時期 病院(診療所、助産所)開設届を提出した後、速やかに
保険医療機関指定申請に必要な書類 保険医療機関指定申請書
保険医療機関指定申請に必要な添付書類 定款の写し
登記事項証明書
管理者経歴書
病院(診療所、助産所)開設届
病院(診療所、助産所)開設許可申請書の写し
病院(診療所、助産所)開設許可書の写し
医師・歯科医師免許証の写し
施設の敷地・建物平面図・見取図の写し
施設の周辺地図の写し
申請書の提出先 都道府県の社会保険事務局等
注意事項 すでに病院、診療所を開設している方が、医療法人を設立した場合も、保険医療機関の指定申請を行う必要があります。
個人で病院、診療所を開設していた方は、個人事業としての病院、保険医療機関の廃止届けを所轄する都道府県の社会保険事務局に提出する必要があります。
関連事項 保険医療機関の指定を申請した社会保険事務局等から指定通知書を受け取った後、社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険団体連合会に「保険医療機関届」を提出します。